おはようございます。

よく私はコラムで「ドル高円高」と記します。え?ドル高であれば、円安ではないの?と思う方は多数だと思います。

このドル高円安というのは相対的な概念であり、ドル高円高というのは絶対的な概念になります。

今回はドル高円高についての解説、このことを認識することは、非常に大事なことなのであるということを記してまいりたいと思います。

 

ほとんどの人はロジカルな発想をしていない!

ドル高円安、あるいは、ドル安円高という表現は相対的な表現です。

1ドルが110円の場合、ドルが上昇すれば、円は下落するという、一方の比較対象が高くなれば、相対的に他方の比較対象は下がるのは当然のことです。

この意味がわからない人がほとんどなのですが、世の中には、相対的表現と絶対的表現が入り混じっています。

数字は確かにウソをつきませんが、その数字の意味を理解するみなさんの頭にはっきりいえば問題があるのです。かと言って数字がすべてとは思いませんけどね。

この相対的と絶対的ということを常に意識していないと、数字の罠にひっかかるのです。

ただ、安心してほしいのは科学者と言われる頭脳明晰な人々の中にはこの違いをはっきりと認識をしている人は本当に多い、私から言わせればこの人、クソ出鱈目なことばかり言いやがって、となるのです。

このくらい難しい概念になるのですが、本当に数字を理解したい、という人は理解すべきです。このほか、短期的と長期的、そして主観と客観、などほとんどのメディアはこの区別がついていません。

これをごちゃまぜにして自分の都合の良いロジックを展開し、さも、理に適っているように論じるのです。私は、こういう論に対してはバカと言ってしまいます(笑)。

一見正しいと思われるロジックによって一体、どれだけの人に迷惑をかけるかを考えるとそれは個人的に犯罪に等しいことだと思っています。

一方でドル高円高というのは相対的な世界では存在はしなく、これはドルも円も高いという意味になるのです。

比較対象の一方が上昇すれば相対的にそのほかは下がるのが当然になるのですが、絶対値、それぞれの主体が高いか、安いかを表現するものですから、それは当然のことになります。

つまりドル高円安とドル高円高というのは言葉は似ているが表現しているものはドル高円安とドル高円高は似て非なるものなのです。全然、意味が違うことになるのです。

ドル高円高の世界

上記は4/22までのドルと円の実効為替レートになります。

世界には150か国以上の国々があるのですが、直近において為替レートが上昇しているのは、ドルと円だけなのです。

ユーロも上昇しているのですが、日本やアメリカほどではありません。

参考までに実行為替レートでドル÷円を行うとそのまま、実際のドル円レートになります。つまり、この実効為替レートを読み切れば、未来の為替相場はわかるのです。

株価などは、単一の分析で済みますので為替ほど複雑怪奇な分析ではないのです。ゆえに株価は非常に簡単なのですが、為替は本当に分析が難しいのです。

 

原油でいえば

いまだに原油相場を需給で分析しているアホがいっぱいいます。

私が2014年くらいから原油相場の動向を当て続けているのは、需給なんか関係ないよ、とやているからです。

考えてください、世界の原油がどくらいの貯蔵があり、そしてどのくらいの需要があるか、正確に知っている人はいますか? いる訳がないのです。

そして、みなさんは知らないかもしれませんが、日本でも新潟県では昔から原油は生産されていますし、サウジなどの中東にいけば自然の自噴泉のように原油が湧いているのです。

そして世界にタンカーが何隻委あり、その搭載が何パーセントなのかなどの詳細なデータをみなければ正確な需給などわかる訳がないことを、分析をして、原油は安いだの高いだのやっているのです。

私からみれば、そんなことをやっていて当たる訳ねーじゃん、ということだけです。そんなことは背景にたまたま当たっても、どうせ直ぐに外れる、と言っているのです。調子に乗っているんじゃねーよ、と思うのです。

私が3月くらいから原油は10-15ドルになるよ、と言っていたのは需給なんかまったくみていません。単に、ドルの強さをみていただけなのです。

ドルがまだまだ強くなるから、以前の50-60ドルのレンジなんかに戻ることなどありえない、と言っているだけの話なのです。需給を分析して原油相場は当たったことなどないのです。

ゆえにIAEAの世界原油動向などいつも私は曲がりやの総本山と言っているのです。なぜなら、需給を分析して未来の原油価格などわかりっこないのです。

原油は150ドルだったものが10ドル割れまで示現をしたということは、ドルがめちゃくちゃ強くなっただけの話です。それだけの話であり、需給で語る奴を私はアホと言います。

何が言いたいか、といえば、かんたんな話で、新興国や資源国が、2000年前後から急成長をしたのはなぜか、ということを考えてほしいのです。

その理由は単純明快、ドルが弱くなったから、それだけの話なんです。

現在はドル高なんだから、新興国や資源国の運命は? はい、これからダメになります。

こんなことはもうわかっていることなんですが、メキシコだのカナダだの、ブラジルだのうるせーっていうんじゃ、というのが私の本音、直近まで新興国として急成長した中国の没落ももう読めているのです。

ドル高円高を認識しているだけで原油の急落も新興国、資源国は投資すべき対象ではないことがわかるのです。

これと為替を一緒にしてはいけないのです。この辺は、また長編になりますので、おいおいと話をしていきます。

 

クロス円もわかっちゃう(笑)

クロス円というのは、円高とそのほかの国の通貨のレートになります。

相対的には円が高ければ、その対象国は弱くなります。

そして、世界の基軸通貨はドルです。そのドルが強い、ではクロス円はどうなるの?

この答えがわからない人は考えて、こういう投資脳を鍛えたほうがいいのです。

答えは、かんたんです。

新興国や資源国のクロス円には長期的は買い目が全くないのです。

すなわち、クロス円を検討をするときには、売り目線で検討をしなければいけないのですけど、たいていの人はもうだいぶ下がったから、買いでしょ、という目線でみなさんみているでしょ。

150ドルから下がった原油が30ドルに下がったときに、値幅的にもう買いでしょ、とかほざき買って死ぬほどつらいみなさん、にはよくわかりますよね。

私は30ドルに下がっても、当面ドルが強いと思っていますので、平気で10ドル割れがあるよ、と言うのです。

需給なんてみても原油は当たらない、ということを承知しています。今、需給で原油相場を語っている奴はパッチもんなんですよ(笑)。

そうやって自分の無知を晒しているアホ、やめたほうがいいよ、と言っているのです。

そして、原油が戻るよといっているのは、当業者と需給の関係で言っているのです。これはドルが続伸しても、原油は戻るよ、と言っているのです。

この辺の複雑怪奇な話は、本が一冊書けるくらいの量になります。そのくらい理解はむずかしいものなのです。それを俄か知識でわかったフリしてんじゃねーよ、ということです。

ドル高円高ということを認識していればさまざまな事象の今後がたいてい読めるのです。これで金利が低金利なんて続きませんよ、ものすごいスピードで金利が上がりますよ。史上最大のバブルに向かってGOになります。

そして、また崩壊することになる、の繰り返しなのです。

私が4月になれば元に戻る、と言っているのはこういう背景があるのです。かなり私の予測の種明かしをしましたが、ここまでの領域にくるまでみなさん、できるならやってごらんなさい、ということです。

みなさんがこれをマスターしたとしても私はもっと上の領域に行っているからどうでもいいのです。

2年後にはこれをマスターしている人間はいらっしゃるでしょうが、私は2年後にこの考え方を小ばかにしている可能性の方が高いと思っています。

思考というのは常に進化しなければいけないのです。