おはようございます。
今までは、ISMやPMIなどの景況感指数というのはアンケート調査でありあまり役に立たないということを言ってまいりました。
今回は、その使い方と、考え方を解説してまいりたいと思います。
景況感調査の中身
景況感調査のアンケート調査の内容というものを以前にご紹介したことがあります。おそらくほとんどの人がみていないと思いますので、少しだけ内容を書いていきたいと思います。
PMIは購買担当者景況感指数と訳されますが、厳密な定義は、購買担当に相当する会社役員へのアンケートという意味になります。
すなわち、購買担当というのは原材料の仕入れや製造ラインの稼働状況、そして売り上げを見ながら、その仕入れを決定するので会社の経営には詳しいという前提でこのアンケート調査を行っています。
たとえば大企業であるゴーンとか孫という人たちが、在庫状況やその稼働率を正確に把握をしているか? といえばおそらくしていないだろう、と想像がつくと思います。
本来は社長に聞けばいいことなのにわざわざ購買担当者と言っているのはそのためです。
ですから、中小、零細に関しては実質、社長が答えていると考えてよいものであり、そして購買担当者が答えているのは一部の大企業のみ、であると考えればよい訳です。
実際の杏メートは以下の文で代表されます。
あなたの会社は、先月と比較してよいですか?悪いですか?変わりませんか?
「YES」 「NO」 「変わらない」
の3択問題であろうと思われます。
この文章の先月、を単に前年ですとか、売り上げ、新規受注、労働コストとかにしてアンケートにして答えてもらうものなのです。
上記のようにISMにはさまざまな調査項目があり、みなさんがみているのはその総合指数になります。
そこで、考えてほしいのは、人間の記憶など曖昧なものであり、たとえば去年の5/1に何が起こったか、なんて考えている人はほとんどいません。
そして前年の同じ月の売り上げとか在庫、稼働状況など明瞭に覚えている人はいると思いますか? それだけの話です。
答えは、経営者となればそういう人はいらっしゃるでしょうが、数は少ないと思うのです。
そうなるとISMの総合指数やそのほかの項目は今回は4月の発表なので、3月と比較をしていることがなんとなく理解できると思います。
今回の数字は先月が49.1、今月が41.5になり7.6パーセントの下落になります。
そこで、ダウ先物の高値24900に92.4を掛ければ、今月の安値の目途がつくことになります。その数字は23000ドルくらいになるのです。
このように考えていけば、ISMは使えるのですが、基本的には心理的に7.6ポイント下がっただけの話で実数の把握まではいかないのです。つまりある意味、この数字はフェイクなのですが、その方向性だけはISMは表現するということです。
今回の発表はISM製造業になりますので、ダウは正確な名称はNY工業株30種になりますのでISM製造業を表す数字だとすればよいのです。
そしてISM非製造業は、GDPにおいて法人売り上げの9割はサービス業になりますのでほとんどの法人はサービス業に属する訳です。結果として、総合指数であるS&Pに相当する訳です。
参考までに、マークイットの4月の総合指数もきのう発表されています。
マークイットの総合指数は11.6パーセント落ち込んでいますので、ISMが7パーセント、マークイットが11パーセントであれば、今後、S&Pのほうが落ち込むということがわかります。
ISMの推移
上記はISM25年の推移になります。
まだ、リーマンの数字は上回っていません。
世間ではリーマンよりも悪いと騒いでいますが、数字はリーマンを割り込んでいません。
リーマンの問題は何度も言っていますが、お金を借りたくてっも借りられなかったのが問題なのです。
要するに、企業がお金を借りようと思っていても主要な金融機関は倒産しているのでお金が借りられないのです。
今回は、アメリカも日本も一生懸命支援しているのです。だから、リーマンよりも悪くなることはあり得ないのに、リーマン以上だ、以上だ、と騒ぐアホタレがいっぱいいることに怒りしか感じません。
実際に建設支出などは先月よりもプラスになっており、結果として、住宅がそれほど悪くならないのです。つまり消費というのは案外堅調なのに、悪い、だから株価が売られるなんて論調は私からみれば論外なのです。
もっと論外なのは、先月より売れていないのは確かなのに株が高いと騒ぐアホ、実態が悪くて、株価が上昇するのはバブルというのです。でもそのメッキがはがれるのは早かった、これがきのうの動きになる訳です。
実態が伴わないものはすぐに崩壊する、世間の誰しもが経済は悪いと思っているのに上がる訳がない、と終わってみればなんとっでも言えます(笑)。
今週の一週間、こんなにも長いと思いませんでした(笑)。
ご迷惑をおかけして申し訳ないです。しかしGDP発表で基準値が変わり、その基準まで一直線に行ったのには驚きの方も多いでしょう。
テクニカルでは買いになっていますが、こんなものを信じれば、バブルの高値を買ってしまうこともよくわかったはずです。バブル相場というのは本来手を出してはいけないものです。
バブルの渦中にいると、人はそれがバブルと思わなくなるのが普通だからです。実際、今年の2月にまだまだ株は高いと叫んだアホはいっぱいいるでしょ。
私はそこで、今回のように高すぎる、高すぎると叫んでいたのです。で、結果は、言うまでもありません。
原油について
クッシングの在庫と、青が石油掘削のリグ数になります。
青い線、リグが減って、在庫が増えています。要するにアメリカ国内でも減産をしている、ゆえにWTIが戻ったとかいうおバカさんがたくさんいるのでしょうが、実際は、ドルが下がったから、あがっただけです。私から言えば、バカの極みのことを言うやつがたくさん出てくるでしょう。
ドルが下がっているのは株価が下がっているからです。
そんな中で頭のおかしい動きをしているのが金で、金はドルなんて関係なく、そして金利も関係なく動いているのです。私は、崩壊が近いよね、とは思っているのですが、どうでしょうか?今の動きは異常です。金。
イランの暴発はまだ油断できません。でもテロを行っても効果が薄いのは誰でもわかりますよね。