おはようございます。今朝は、最近、あまり解説をしていない世界情勢についての解説をしたいと思います。

イラン、アメリカ紛争

イランはウラン濃縮活動を米国のアルミ、鉄鋼関税など5/8に発動した制裁に対してウラン濃縮活動の再開を対抗処置として再開をしました。

イランのウラン濃縮活動とはイラン核合意にてイランの濃縮活動が制限量を越えた場合、そのウランを主に欧州に売却することで合意をしていますが、その濃縮ウランの制限量が超えても売却をしないと表明したことです。

つまり、アメリカの一方的な制裁に反発して、イランも核合意からの離脱を表明した、というのが今回の危機の基礎となっているのですが、それを理解して報道をしているものはないね、というのが私の感想です。

今回のイランの発表は27日にはウラン濃縮の制限を超えるという表明であり、本気で離脱をするつもりがあるのであれば制限量を越えてから発表すればいいものを事前に発表したということがミソになる訳です。

これらの状況から、イランの本音はアメリカの暴走を止めてくれ、と国際社会に訴えたと類推することができます。

今まで、解説した通り。

■アメリカの主張
① イスラエルの対抗組織ヒズボラの支援を辞めよ
② サウジの原油輸出の安全を担保せよ
というのがアメリカの主張です

■イランの主張
① そもそも核合意違反は行っていない
② ヒズボラ支援など行っていない

というだけの話で、重要なことはイランに何も非はない、ということです。

タンカー攻撃の際も説明をしたように、過去にアメリカは証拠映像をデッチあげした実績がありますので国際社会は容易にアメリカ支持を表明しないのです。

イギリスが一番早く表明したのは、軍事同盟の関係上だと思われます。日本や欧州が慎重な判断になるのは、アメリカにも利害関係があるし、イランにも利害関係があるからです。

イランの27日くらいには制限量を超えるという表明は、27日には核合意から離脱するという表明であり、それまでにアメリカの暴走を止めてくれ、という国際社会に訴える表明になります。

どちらにしろ、核合意への離脱表明は7/1前後になると以前に記したように、その時期と重なっているということで見通しは変わりがありません。

ですからアメリカの譲歩しか解決策はないのですが、アメリカが譲歩する可能性がほとんどないから行きつくところまで行くでしょう、と言っているのです。

行きつくところ、というのはどういう意味か、と問われると最悪の事態も想定しておかなければいけない、ということです。

 

香港問題

香港の問題は非常にかんたんな問題です。

上記は香港の製造業PMIです。

2015年にチャイナショックによって激しい落ち込みになっています。今回も、中国の通商問題で落ち込みが激しくなっています。

そもそも、今回の中国問題は解決の見通しがなく、その結果、中国の景況が悪化しています。通常の中国リセッションであるならば、中国本土から香港へ資金が流出し香港は沸き立つのが通常です。

今回は、日本の実効為替レートが上昇していることからもわかるように、中国からの輸出が停止されれば香港からの迂回トレードが行われるはずですが、これも米国に封じられていると想像することができます。

つまりこのまま放置しておけば、香港もチャイナショックと同様に中国と一緒に沈みこむ可能性が高いのです。

どこの歴史的事実か記憶が定かではないのですが、犯罪者の移送を中国本土にする、という今回の行政長官の決定は、史実をみればうまくいった試しがない、ということをお忘れなく。

また、香港人は自分を中国人と思っている割合が非常に少なく、ほとんどの人が香港人と考えています。結果として、香港の独立性を担保するような政策を敷かなければ今回の問題の解決は難しいということです。

どちらにしろ、根本原因は、不景気、ということなのです。テロも暴動もおなじです。食えないからテロや暴動が起こるのです。

そういった意味では、今後、欧州やオセアニア、中国で暴動やテロが起こる可能性を否定してはいけないことはいけないことです。

おそらく起こるだろうね、というのが本音であって、起こると各国政府が一斉にテロや暴動は許せないと表明するのでしょうが、私からすれば起こることが分かっているのだから、その前になんとかしろよ、と言いたいものです。

 

習近平、北朝鮮訪問

ベールに包まれている北朝鮮になりますが、今回のヒントは事前に、ロシアを金委員長が訪問し、その直後に習近平が北朝鮮を訪問するということです。

ビットコインのときもこのことに触れたと思いますが、この中ロ朝の同盟意識が密接になっていることを表しています。

間違えてはいけないのですが、この中ロ朝の関係において盟主は中国であり、ロシアではないということです。

つまり、アメリカがかつてソ連と東西冷戦を行っていたのは、ソ連ですが、この新たな冷泉という相手はロシアではなく中国だ、ということです。

その同盟を緊密にする連携する枠組みが出来上がりつつあるのです。ビットコインというのはこの3か国にオーナーが集中し、その割合は9割を超えるということもお話しをしたと思います。そこに韓国が加わるから話がおかしくなるのです(笑)。

韓国の苦境というのは東西陣営どちらにつくかの問題であり、今の政権は、何も決められないということが苦境の最大の原因だ、ということです。

中国の思惑というのはレアアースの輸出制限からもわかるように、今後は資源戦略にシフトしていくと思われます。ただし、勘違いしてはいけないのですが、中国は戦略的に資源戦略に出るのではなく、対抗できるのは資源戦略しかないから、資源戦略に出るのです。

そもそもリーマンショック前に世界の資源を買い占めした9割以上が赤字です。記憶に新しいベネゼェラの油田との契約にしても大赤字ですし、アフリカ諸国の油田、鉱山もほぼ赤字です。

工業品によって手を封じられた中国はもっとも、有利にたてるレアアースを前面に出しましたが、これは単なる苦肉の策です。

資源戦略を行うのであれば、北朝鮮は世界有数の資源国であり、結果として、その連携を強化するために直接訪問となっただけの話でしょう。

予測の範囲内で、ちっとも驚きの範疇ではありません。むしろ、韓国は何も決めないまま、どこに迷走をするのだろうか、というほうがよほど興味はあります(笑)。