おはようございます。シナリオというものは数式のようなものでなければいけない、という話を今後もしていきたいと思います。

結局、テクニカルにしても、ファンダメンタルズにしても、たとえばボリンジャーバンドだけを極めれば、未来の価格が予測できるなんてことはあり得ない訳です。

常に、ファンダメンタルズやテクニカル、内部要因などさまざまな証拠からシナリオを組み立てれば、答えは1つにしかならない訳です。

答えが2つ3つになったり、答えが間違っている場合には自分のデータ、証拠集めが不全だから結果としてそうなるのです。

ここからわかることは完璧なシナリオ、仮説を作れば、まず、予測に幅が出ることはない、、1+1=2のようにシンプルな答えしか出ないのです。こういうところを私は目指している訳です。

言わなくてもいいことですが、たとえばボリンジャーバンド、私からみれば、ボリンジャーバンドを信奉している人でボリンジャーバンドの本質をわかっている人などお会いしたことがない、それでなぜ信奉するのかが意味が全く私にはわからない。

ボリンジャーバンドの本質というのは数字の分布の偏向性ですから、答えが1つになる訳がないのです。その最高の確率は、75パーセント程度である、ということがわかっていない人が多すぎるのです。

残りの25パーセントの確率を埋めることは現在の科学ではできない、だからリーマンショックが起こったのだ、ということなのです。

しかし、ファンダメンタルズを知っていれば、ボリンジャーなど知らなくても予測は完璧にできるのです。つまりテクニカルはあくまでも証拠の補完として使うのが適当だと思う、というのが個人的な意見です。

今回は、私はアメリカ経済のシナリオを何度も説明をしていますが、本日、変調の兆しが見えてきたのでお話しをします。

経済指標の先行、一致、遅行指数

経済指標には、先行、一致、遅行という3種類のカテゴリーがあり、そしてそのほかのカテゴライズは企業、家計、政府である、という話をしています。

今回は先行、一致、遅行ということにフォーカスして話をしていきます。

このカテゴライズも先行指数を理解すればいいという話ではなく、結局、遅行や一致指数という経済指標があって、その先行指数の意味があるのです。

つまりほかの指数をも理解することによって先行指数の意味がわかってくるのです。

では、表にして、今のアメリカ経済を説明します。

先行 → 一致 → 遅行

経済は上記のように循環をします。

現状のアメリカ経済は

先行 → 一致 → 遅行
悪    中立   良

となっています。

これが、

先行 → 一致 → 遅行
良?   中立  悪?

に変化をしようとしているのです。

つまり遅行指数がピークを迎えると、本当に景気の良い状態になると先行指数が良化し始めるのです。その流れがアメリカ経済の指標の中でここ2日、みられるのです。

遅行指数の悪化?

今まで、私はアメリカ経済が、遅行指数が最高の状態だったと言っています。

これは上記のグラフでいえば、

先行 → 一致 → 遅行
悪    中立   良

の状態です。では、今週の遅行指数で注目の経済指標は以下の通りになります。

Econodayより

これは、コンファレンスボードが毎月発表する、消費者信頼感指数になります。

消費者サイドはご存知のように遅行指数になりますが、その中でも消費者信頼残高、指数は遅行指数の中でも先行性のあるものです。

青い線が消費者信頼感指数になります。

この青い線をみると、去年と比べると数字は悪化しているじゃないか、と言われると思いますが、この比較は企業の先行指数と比較をすると最高に良い状態なのです。

なぜなら、先日のフィラデルフィアやリッチモンド、メトロポリタンなどは最悪な数字で平均の50を割り込みそうな勢いだったのです。それと比べれば消費者はよい、さまざまな指標と組み合わせると最高に良いという状態です。

リテールセールスや、消費者信頼感指数が悪いと感じるのは去年が良すぎるから悪いと感じるだけの話で、実際は最高に良い状態なのです。

上記の表での説明によると、景気が良い状態で景気が変調すると先ほど説明したような状態になります。

先行→一致→遅行
良?  中立  悪?

現在、消費者信頼感指数が悪化をしている状態であれば、こんどは先行指標が良くなるはずです。遅行指数が悪化して先行指数も悪化すると好景気循環の終了となります。

つまりリセッション、景気後退になるのですが、アメリカ経済はリセッションなどに現在のところなる訳がない、と私は考えています。では、メディアはなぜ、アメリカが悪いというのかというのは、ロジカルにモノを考えていないからです。

現在のアメリカ経済は全体には良い、ただし、去年と比べると成長率が悪い、というのが正しい表現で、去年は減税によって経済が爆発をしてしまったのですから、今年はそれほど大きな成長にならない、だけの話です。

つまり経済が、良い、とか、悪いという一言で片付く話ではないのに、わかっていないから一言で表現をしようとするのです。それをメディアから伝えられるみなさんが間違った認識になるのはとうぜんのことです。

言えることはアメリカ経済の全体は非常に好調なのです。騙されちゃいけません。だからといってドル高になる訳でもない、ということも覚えておいてください。

では、話を進めて、きょう発表された耐久財受注を見ましょう。

これはアメリカの耐久財受注前月比、そして輸送機器を除いたものになります。

なぜ、輸送機器を除くかといえば、現在、ボーイングの747?でしたっけ? よく覚えていませんが、全世界でエチオピアでの事故で運航停止になっている状態です。

飛行機の製造というのは、ものすごく高いというのはみなさんご想像がつくと思いますが、運行停止の飛行機に注文がくるわけがありません。だから輸送機を除くのです。

これは輸送機器を含めた数字です。

これをみてもボーイングが輸出できない状態にも関わらず、良化しているのはわかると思います。

つまり耐久財というのは景況感指数や機械受注額と並び、先行指数の中でももっとも先行する指数になるのですが、その数字が良化をしているいうことは景気の先行役が消費者(遅行)から、企業(先行)に移行しているという現象が起きつつあるということです。

本当のプロというのはこのような動きをみており、きょうの耐久財受注などの数字をみて、投資の態度を間違いなく変えてくると思います。もちろん、今後の経済統計で証拠を固めてからの話です。

つまり、アメリカ経済が変調をきたしているのであれば、マーケットも変化をするよ、ということです。いままでのような弱気一変の空気が変わりますよ、と予測をしています。

書いていませんが、ドル円は2番底と書いたことは、底をついたら、円安と、思うのが普通です。その通りの展開になっていますよね。この意味がわからなかった方は日本語が読めないのです。これは私の管轄外ですので各自で努力してくださいね。