おはようございます。
少し時期はずれましたが、円高にようやくなりました。今回は、そのメカニズムから年初のドル円について書いていきたいと思います。
円高の要因
日本の年内最終営業日に円高になる可能性が非常に高いよ、というように書いてきたと思います。
これは、年末の資金需要が多く、結果として金利が急騰をするからだというように従前から書いてきました。
結果はその通りになっています。
つまり、アメリカの資金需要のピークは23日で日本は30日になったということです。
では、年明けはどうなるか? ということが問題になります。
アメリカの場合、年明け最初の営業、つまり金融マンが出勤をするのは1/2からになります。
アメリカ金利10年物利回り
アメリカの金融街では、暦では1/2から出勤になりますが、本格的に全員出そろうのは1/6になりますが暦では1/2になりますので、1/2が本格始動という考えが一般的になります。
では、金利動向がどうなるか、ということを考えると、23日まで資金需要が数多くあったのが、1/2以降は、それがなくなる、ということです。
つまり、金利が下がるということになります。そこで、金利が下がれば、ドルは安くなるということになります。すなわちドル安になります。
ドル安というと、即物的に円高と反応をする人達が多いですが、これは、ドルが安くなれば、円も安くなることが多いからです。つまり、両方ともに、下がるので、それまで円高の地合いが続いていた場合は加速度的に円高になるという意味になります。
では、日本は、アメリカと一緒に下がるのか、を考えなければいけません。
日本10年物国債金利
日本の金利はアメリカと同様にクリスマス前にピークを迎え、30日にわずかに上昇をしただけでした。
日銀の債券市場の介入を勘案すると、わずかな上昇になり、日本の景気はそれほどよくもないという判断をすることができます。
ただ、日本市場は、完全に金利市場は1/6までお休みになります。つまり本格的に始動するのは、1/6でそれまで金利はほとんど変わらずになります。
では、上記の説明で、どうなるのかを考えればいい訳です。
アメリカ市場は1/2から金利市場は始動し、年末の資金需要は終了したので金利は下がり始める訳です。
そして、日本市場は、1/6まで動かないということになります。
つまり分母は変わらずで、分子は小さくなっていくとすればドル÷円の解は小さくなっていくということです。
加えて
ドル円の公式は、本格的なものは、以下のようになります。
(ドル×金利)÷(円×金利)
というものです。上記では金利しか論じておらず、結果として、ドルや円の国別の実力を論じていません。
つまり、ドルや円の実効為替レートを考察の対象に入れていませんので、その考察も加えなければいけません。
株価は、きのう日米、双方ともに、0.7%程度の下落をしています。つまり両国が下がっているけれど、その下げ幅はほぼ一緒です。
株価は毎日、みなさんの目に触れますが、実行為替レートの発表は週一回ですので、その基準は株価になります。
ところが日米の暦が違うというのは、上記の金利で述べました。つまりアメリカは1/2から始まるけど、日本は1/6まではそのままになる訳です。
この状態では分母の日本は変わらず、アメリカの株価が下落すれば、さらなる円高、そして、反対に反転上昇すれば円安ということになるのはおわかりかと思います。
ただ、私の計算によると31日の動きは円高です。
もう一つ
ドル円の考察は、去年の動きも考慮にいれなければいけない、という話もしています。去年は大幅な円高で、それを覆すような材料があるのか、という問題です。
実際、北朝鮮やイラン、イスラエル問題は流動的になっており、決して安泰と言える状況ではないようなマイナスの材料しか現在は出ていません。
こうやって考えると、1/6まではたぶん、円高になるだろうね、としか思えません。
これで、年内の原稿を終了します。
当コラムをお読みになっていただいた読者のみなさん、本年一年間ありがとうございます。来年も精進してまいりますのでよろしくお願いいたします。
また、来年も一緒にがんばりましょう。