「ミザリー Misery」は日本語に訳すと「悲惨」という意味です。有名な小説でミュージカルや映画にもなっている「レ・ミゼラブル」、こちらはフランス語ですがこのお話と「ミザリー」は同じ意味、と覚えると記憶に残りやすいのではないでしょうか。
このミザリー指数、日本では「悲惨指数」や「ミザリー・インデックス」とも呼ばれています。
世界の国々の悲惨度を表す指数です。1960年代にアメリカの経済学者アーサー・オークン氏が考案しました。
年1回、アメリカのブルームバーグ社によって指数の高い国順、低い国順のランキングが発表されています。
ミザリー指数が重要である理由
なぜ今のような好景気の最中にこのような指数も見る必要があるのでしょうか?答えは簡単です。投資家であれば、この好景気が暗転する気配を誰よりも先に察知したいですよね。
この株高や景気の良さはいつまで続くのか?暴落時には、株や通貨など誰も持っていたくないはずです。
暴落しそうな気配を自分で調べて判断したい、という投資家にとってミザリー指数は注視しておくべき指標の一つであると思います。
ミザリー指数の構成内容と見方
ミザリー指数の構成は非常に単純で、失業率とインフレ率を足したものです。失業をしたうえに物価が急上昇すると、悲惨な状況ですよね。文字どおりの「ミザリー」です。
ミザリー指数は見方も簡単で、経済が悪化していくとこの指数は上昇していきます。それと同時にランキング上位にも上がってきます。
「失業率とインフレ率が両方上昇したときは本格的な不況になる」と覚えておきましょう。景気の動向を見るのにはうってつけです。
失業率と消費者物価指数からもミザリー指数を出せる
普段の指標からもミザリー指数は出せます。「失業率とインフレ率」を単純に足せばよいわけですから、つまり、この2つの指標が異常に上昇してきたら要警戒ということになります。
なお、「インフレ率」という名前の経済指標はありませんが、これはCPI、「 消費者物価指数」で置き換えることができます。
例えば現在のアメリカの状況は、消費者物価指数のコア指数、コアコア指数ともに上昇しています。
しかし失業率は、おそらくアメリカ史上最低記録を更新することになると思います。
不況になる条件は「2つの指標がセットで上昇をすること」ですから、アメリカは現在、この状況には当てはらないことになります。